海外での生活
○日本人会
各国には在外公館の管轄の下、親睦を主な目的とした「日本人会」が設営されていますが、現地在住日本人の全員が参加しているわけではなく、参加率は50%ほど。また、日本人会の様子も国によっていろいろ。理想的なコミュニティとなっている日本人会もあれば、運営幹部がボス的になっていたり、利権や足の引っ張りあいがあったりする日本人会もあります。企業駐在員が多い日本人会では奥様族の上下関係ができたり、日本の価値観のままに生活している駐在員たちと漂流・土着派日本人との間に大きい壁ができたりと、あまり好ましくない事実も否定できません。日本人同士のコミュニティはとても大切ですが、ストレスがたまるような環境であれば、日本人会と距離をおいた方が快適に生活できます。
○日本人学校と日本語補習校
日本人学校は文部科学省が在外公館の管轄の下に設置している、小学生・中学生が対象の義務教育施設。他、現地学校に通う日本人を対象に、土曜・日曜に国語や算数などの授業を行う「日本語補習校」がありますが、日本人会が設置運営している場合もあります。また、いずれの学校も教員は原則的に日本から派遣されることになっています。
文部科学省/海外子女教育情報
○関連機関
(財)海外日系人協会
世界各国の現地日本語新聞が閲覧できるとともに、各国の日系人、日本人状況が掌握できます。
在外公館の旅券関係業務
○新規および切替発給
■必要書類
申請書2通/戸籍謄本1通(6ケ月以内のもの)/パスポート用写真2枚/パスポート(切替)
■申請条件
・有効期限が1年未満の場合
・子供が出生した場合
・パスポートの余白が無くなった場合(査証欄増補は1回のみなので、増補分が無くなった場合)
※申請は委任状所持の代理人でもいいですが、受け取りは本人出頭のみ。
■紛失・破損の場合の再発給
上記書類と紛失届、現地警察または観光省発行の紛失証明書(紛失)、パスポート(破損)
○査証欄増補
1回のみ、40項増。必要書類は申請書とバスポートのみ。
○訂正
訂正申請書2通と訂正内容を証明する書類。
○再発給(紛失、破損)
申請書2通/戸籍謄本1通(6ケ月以内のもの)/パスポート用写真2枚/パスポート(破損)/
警察または観光省発行の紛失証明書
○帰国のための渡航書(旅券を所持しないで早急に帰国する場合)
申請書2通/写真3枚/紛失届/警察または観光省発行の紛失証明書/航空券・予約証明
在外公館の証明関係業務
○在留証明書(和文/日本国内用)、在留届出済証明(英文/日本国外用)
住民票に代わる証明書。原則的に在留届を提出済の人のみに発行され、在留届に記載されて
いる住所が証明されます。申請目的は年金・恩給受給、不動産売買、遺産相続、自動車売買、転入学・受験手続きなど。必要書類は在留証明願、在留地を証明する公的書類、旅券、その他。
※在留届は3ケ月以上滞在する場合は在外公館への提出義務があります。郵送またはFAXで
の送付も可能。また記載内容の変更時や帰国時には必ず連絡が必要です。
○転出届出済証明(英文)
過去に在留届を提出していたことを証明。
○戸籍記載事項証明(英文)
戸籍謄本(抄本)から出生・家族・婚姻・出生・離婚・その他、必要な身分事項を抜粋して証明。
申請目的は査証・在留許可申請、入学手続き、所得税控除手続きなど。必要書類は証明発給
申請書、戸籍謄本・抄本(6ケ月以内のもの)。
○翻訳証明(英文)
翻訳対象は運転免許証、卒業証明証書(学校教育法1条該当学校)、年金証書、その他。
申請目的は現地運転.免許への切り替え、労働許可申請など。必要書類は証明発給申請書、
翻訳書類の原本、翻訳書類の英訳文(申請者が作成)。
○婚姻要件具備証明書(英文)
申請書、旅券、戸籍謄本・抄本(3ケ月以内のもの)、結婚相手の出生証明書類、婚姻歴の記載された除籍謄本または改製原戸籍などが必要。
○印鑑登録、印鑑登録証明、署名証明(サイン証明)
和文。日本国内使用に限られます。本人出頭のみ。
○宣言書の署名証明(英文)
私文書、官公署発行の公文書に大使館の認証が必要な場合に証明。
○印章証明(英文)
官公署発行の公文書の発行者印・発行者署名が真正であることを証明。
○居住証明(和文)
元日本国籍者用の日本国内用在留証明。
○遺骨・遺体証明(和文・英文併記)
日本国外で死亡した日本人の遺骨・遺体を通関時に証明。
在外公館の戸籍・国籍・選挙関係業務、荷物・郵便物保管
○各種届出の受付
日本の市町村窓口と同様の受付業務が可能。出生届・婚姻届・認知届・死亡届・国籍取得届。
○在外選挙関係業務
国政選挙への投票を行なう場合は、事前に在外選挙人名簿への登録が必要です。
○荷物と郵便物の保管
全ての日本公館ではありませんが、多くの場合、大使館・領事館気付で荷物や手紙を郵送すると、最長1年まで預かってくれます。
所持金紛失時の日本公館の対応
○緊急時の一時賃借
外務省によると、犯罪に巻き込まれて所持金の全てを紛失した場合は、帰国までの費用を一時的に在外公館から借りることができます。但し、借りたお金はパスポート送金などによって出国までに返金することが必要。パスポートも紛失した場合は在外公館で再発給してもらえます。尚、日本の家族など送金依頼する人がみつからない場合は、最後の手段として国の費用で立替することもでき、帰国後に返済することになります。
■在外公館宛送金の廃止について
以前は大使館が保有する口座に送金することができましたが、公金管理の観点から制度が改
変され、大使館宛送金制度は廃止されました。
■在外公館が貸してくれない場合も・・・
所持金の全てをなくして日本公館に駆け込んでも、対応ぶりは在外公館によって異なり、海外
送金の方法や現地警察への被害届の出し方をアドバイスしてくれる程度の場合もあります。
■在外公館のない国の場合
その国を兼任管轄する周辺国の在外公館が担当となります。在外公館の判断によっては、在外公館までの移動・付き添いを当局に依頼したり、JICAなどの関連機関がある場合は協力を依頼することになります。