政府機関

移民局、在日公館、観光局、外務省関連 
○イミグレーションオフィス
現地滞在の諸手続きと管理は通常イミグレーションオフィスと呼ばれる機関が実施しています。管轄省庁は国により異なり、内務省(警察関連)、外務省、国防省、総務省などの下部機関となっているケースがあります。正式名称も国により異なり、通称は日本語では移民局、入国管理局、出入国管理事務所など。英語通称にはパスポートオフィス、エイリアンオフィスなどがありますが、イミグレーション(immigration)と呼ぶのが最も通じる呼び方です。スペイン語圏での通称はイミグラシオン。尚、アジアや中東の国では移住省を設置している国がありますが、これは外国人の出入国管理を行うのではなく、昔の日本の「国策移住」のように自国民の出稼ぎ就労や海外移住を管轄。

○在日公館(大使館・領事館・名誉総領事館)
大使館は政治経済などの外交窓口業務を行う国の出先機関となっています。領事館は大使館の管轄の下、査証の発行と自国民の保護など、個人を対象とする業務を実施。また大使館内にも領事部が設置され、領事業務を行なっています。名誉領事館は日本人を含めた民間人を名誉領事に任命、広報や交流活動業務などを委託。名誉領事館によって行っている業務は異なり、名誉職でしかない場合もあります。

○観光局の運営形態
日本には多くの国が観光客誘致や広報のために政府観光局を設置していますが、運営形態は国によって異なり、本国予算で直轄設置されている場合、大使館・領事館に併設されている場合、日本の旅行会社など民間に委託されている場合などがあります。また国によっては「正規の政府観光局」という形ではなく「観光促進局」という形で複数の民間会社に観光局の名称を付与している場合があります。この場合、背景に「観光局」という名前を旅行者集客に利用したい旅行会社の思惑があり、純粋な観光広報より運営旅行会社商品の販売促進に重点が置かれているケースがありますので注意が必要です。
在日外国観光局協議会 ANTOR-JAPAN

○外務省
外務省
領事局には領事サービス室、海外安全相談センター、邦人テロ対策室、海外邦人安全課などのセクションがあります。 また一部の在外公館では定住や長期滞在用の査証情報を提供しています。
外務省領事局
外務省領事局/海外安全ホームページ 
外務省領事局/海外邦人援護統計
■危険度レベル基準の見直し
従来から外務省の危険度情報はアテにならないと不評でしたが、2002年より日本旅行業協会や各国大使館の抗議により発出基準を見直すことに。これは、外務省や国土交通省も危険度情報に歪みがあることを認めたため。いずれにしても危険度レベルは一つの目安でしかないので、要は本人の意志と判断次第。但し、危険を軽んじた無謀すぎる行動は厳禁です。
■やはり相変わらずの外務省・邦人保護
「日本人が困っていても話も聞いてくれない」という日本の在外公館の悪評は今やあたりまえ。仕事は日本からやってくる代議士やお役人達の接待が最優先。米国大使館のように国民の権利保護やトラブル解決に奔走するという姿は日本大使館には無縁な環境。各種届け出など事務手続き以外は期待しないほうがいいといわれています。このような中、数々の不祥事の批判を受けて旅行者対応にも改善の兆しがあったものの、2004年末の南アジア津波被災では各国があらゆる手段を講じて懸命に被災者状況を調査するのに対して、外務省は様々な手段を今後の検討事項として挙げるだけ。在外公館の邦人保護への無関心さが改めて露呈しました。
■日本人の駆け込み件数ベスト5
2006年度の在外公館「邦人援護件数」のトップは14年連続のタイのバンコク(約1700件)。
2位はフィリピンのマニラ、3位中国・上海、4位米国ロサンゼルス、5位英国ロンドン。多くは旅行者の盗難や強盗などお金に絡むもの。現地の人と触れ合いたいという意識があるために、警戒心が薄い人が多いのが原因ともいわれています。